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ケーススタディ

CASE STUDY

スポーツ指導者

ケーススタディ-2「スポーツ指導者への集合研修」

クライアント(研修参加者):
高校生に対して部活動としてのスポーツ指導にあたる方々。

研修の目的:
選手(生徒)とのコミュニケーション改善。
言葉によるハラスメント防止。

メインテーマ:
選手(生徒)とのコミュニケーションの質を
向上させることにより、チーム、個人の
パフォーマンスを向上させ、、練習への不参加、退部者を減らす。

《研修が行われた背景》

スポーツ指導における体罰問題は
少年、学生、社会人、からプロに至るまで
スポーツの世界では大きく取り上げられ、
その防止に様々な施策が施されています。

高校生を指導する立場にある
スポーツ指導者の方々にとっても例外ではなく、
体罰防止の研修は頻繁に行われてきましたが、
さらに「言葉によるハラスメントの防止」に取組もう
という企画
が為されました。

研修は「ハラスメント防止」という
負の要素を払拭する目的から、
視点を一段広げて「コミュニケーションの良質化」というテーマで行われました。

《研修の進め方 ~ 参加型》

集合研修において、講師が話すことを聴き、
投影されたスライドを眺めるだけの一方通行では、
内容への理解が深まらない、記憶に残りにくいことが実証されています。

また、講師と受講者の
双方向コミュニケーションを促すとはいえ、
挙手、発言には、ためらいがちになる傾向があります。

これを解決するために、
ご提供している多くの研修では、
「参加者同士がペアになって数分間話し合う」場を設けています。

講師が話したことについて、
自分が理解したこと、思ったことを言語化するのです。

そして相方の意見も聴きます。

自分と違う視点があることに気づかされたり、
何故そう思うのか?と考えることが、
研修の理解を深めるために大変重要です。

また、ペアでの会話が呼び水になり、
挙手や参加者全員への発言も
躊躇なくできるようになり、研修の場が活発になる傾向があります。

「では、お隣り方とペアを組んで、
〇〇について話してみてください。」という台詞で、
講師が研修中に何度も促すディスカッションです。

リアルの研修ではペアが固定しないよう
適宜席を移動して頂きます。
(研修では基本的に机を使用しません。)

リモートの場合は、2人から数人の
ワークグループを作り、ディスカッションをして頂きます。

《研修のコアメッセージ》

スポーツ界に限らず、ハラスメントは
「何を言われたか?」よりも「誰に言われたか?」で
問題化されるケースが多い
と言われます。

「ハラスメント問題」とは、
別の言い方をすれば「指導者と選手(生徒)の
関係性劣化問題」でもあります。

先ず、良い関係性を築くということを
テーマに上述の様なやり方でディスカッションをして頂きました。

例えば、「指導者と選手の間の
コミュニケーションに不具合があると、
チームや選手にどの様な問題が生まれるか?」
様々なご意見が上がります。

自信を失う。 サボる、怠ける。 妬む。 
やる気がなくなる。 悪い緊張が生まれる。 故障が増える。 逃避する。
等々、意見は様々で全て正解です。

こうした負の要因を
コミュニケーションから取り除くことで、
選手やチームのパフォーマンスを
上げていくことが学びの核
であり、

ディスカッションを通じて、
普段ご自身が使っている言葉の
ひとつひとつに、プラス要因、
マイナス要因があることに気づいて頂きます。

また、主体性を持った選手を
育てるための方法の一つとして、
コーチングで使用する「質問」の効果を体験
頂きます。

指導者から選手に対する「質問」の雛形を列記し、
これを実際に選手、生徒に問うことを想定してペアで行います。

質問によって、ゴールを明確にしたり、
新しい視点を持たせたり、モチベーションや
エネルギーが確認したりする演習で、
参加者の皆さんの多くが関心を持って取り組まれていらっしゃいます。

《必ずある疑問、質問 ~ これでホントに勝てるのか?》

スポーツ指導にあたる方々は、
ご自身が何らかのスポーツをされてこられたケースが多い
です。

厳しい練習、環境の下で、自分を鍛え、
チームの仲間と歯を食いしばって頑張り抜き、
試合で好成績が残せた。

練習で泣いたから本番で笑えた。
人間が鍛えられた。辛抱強くなった。諦めなくなった。

そうした経験から今指導する選手、
生徒たちにも、厳しい姿勢で臨み、
実際のそのやり方でその実績を作られてきた方々です。

その方々からよく頂く疑問、ご質問は、
「関係性の向上、良質化は理解できるが、
変に物分かりのいい指導者の面をみせていると、
選手を甘やかすことにならないか?

それは逆に選手として成長の弊害にならないか?」
と、表現方法は様々ですが、この様な内容です。

つまり、「今まで厳しい指導方法で実績を上げてきた。
選手の人間形成の上でも有益であった。
体罰や言葉の暴力は論外としても、
自分のやり方には自信がある。」というものです。

講師としては、最初に誤解を
解いておくべきことかもしれませんが、
この研修でお伝えしていることは
「厳しい指導方法や、実績のある指導方法の
否定ではない」
ということです。

厳しい指導というのは、
選手、生徒への愛情が無ければ出来ないことです。

その指導方法が有益であり、
選手、生徒との関係性もしっかり出来ているなら、
それを是非続けて頂きたい。

しかし、それに加えて
「別のコミュニケーション方法」を身につける、
「別の言葉」で表現してみる、「質問のやり方」を変えてみる、
という新たな引き出しが備われば、
剛柔二刀流を使い分ける指導者として
一層の尊敬を集めるでしょう。

鬼に金棒ということです。
そして、コミュニケーションの引き出しを増やす
ということは、選手だけでなくチームを取巻く
全てのステークホルダー(父兄会、OB会、
他の教員、スポンサーなど)との
良質な関係を築く上でも有益ではないでしょうか、と。

端的に言えばこの研修は、スポーツ指導者の方々にとって、
「ご自身のコミュニケーション方法を俯瞰し、
新しいやり方を考えてみる端緒」
になれば
その目的は達成されたものと考えています。

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